1月7日のアルバム発売に向けて最終段階に入っています。日ごろアニメやナレーションなど声で演じる事を主としている事もあり、「歌」に関しては、全く別な脳みそのチャンネルを使います。っとはいっても私にとってのレコーディングは台本が楽譜になった、という感覚で、「キャラクターの口にあわせてセリフを言う」というのと、「メロディーに合わせて言葉をはめる」というのはどこか似たような作業でもあるのですが……。同じ肉声を使うわけなので、込める思いや、感覚のようなもの……、まあ簡単に言えば喜怒哀楽的なものを一度体に取り込んで、私自身が感じて、そして伝える作業に転換する。言葉で言うとこんなにも堅苦しくなりますが、要は、その空間をどれだけリラックスして私自身が楽しめるか……な感じです。音がうまくとれなかったり、リズムが合わなかったりと、アレコレ四苦八苦しているうちはどうにもやっぱり駄目ですね。自分で言うのもなんですが「うまく歌えてる」だけになってしまって、聞いていて気持ちよくないんですよね。よく「一生懸命頑張りました!」と「楽しくリラックスして出来ました」では、どうにも日本人の好みなのか「頑張りやさん」に好感度アップ!な気がするのですが、もちろんそんな時期(まあ20代かなあ)を経て、最近はより「ゆるく」「楽しく」「リラックス」へ向けて、頭でしのごの考えるより、まずは歌うべし!といったところです。やっぱりリラックスして楽しんでいると、声の伸びも良いし、バックの音……、例えばバイオリンだったり、ギターだったり、の音もよく耳に入って来ていい感じになります。
まあ歌が本業で、「呼吸するように歌う」なんて方々の触れる境地には程遠いのですが、なんとなくスタジオでそんな空気に一瞬でも包まれると、歌ってそもそも、「コレ」だよなああ……、と実感です。「あうう~」っとお風呂につかって出てくる鼻歌。宴会でみんなで盛り上がる歌(本当に楽しくね)「うまい」ことももちろんかっこいいし、素敵だけど、もっとその奥にある、なんかジン!っとしたり、キュン!としたり、ちょっと頑張ってみようかな……な気持ちを刺激したりする、音符ではないところがやっぱり一番大切なんだよなあ……、なんてことを改めて感じています。14曲入りで、リミックスも含め、かつて出たシングルをまとめたものに新曲を入れ、さらにPVのDVDがおまけに付きます。
「声優」という仕事はなかなか表にでないためか、映像物が世に出ると決まってファンの人から「林原さんが動いてる~、感動しました」とどうにもすっとんきょうなお手紙を頂くことがあります。そっかあ、そうだよなあっ、と実感もするもののなんとも複雑。「動く」で感動されるってなんだか、コアラとかみたいですよねえ。でも若干の恥ずかしさを込めつつも、発売を楽しみにしています。(というかみんなの反応かな)。タイトルは「center color(センターカラー)」基本色という意味です。生きていると本人が望むと望まざるとにかかわらず、良い影響も、悪い影響も、いろいろ受ける。黒に責められて心が灰色になったり、その逆で心が桃色になってハッピーになったり……。人生いろいろの「いろいろ」はまさに「カラー」の「色」。自分の基本を忘れずに……、といったところでしょうか。ジャケットはそんな色にひっかけて、ほぼスッピンのベースメイクと、それにブルーのシャドーをひいたり、グリーンのシャドーだったりと、あれこれな表情とそれぞれの色と小物で遊んでいます。七草粥の未来1月7日、ぜひいろんな色で遊んでください。