この度、なんと舞台に立つ? 座る?ことになりました。日頃人目につかないアフレコスタジオで、せっせと声優業をいとなんでいるわけですが……、なにゆえ?といいますと、「朗読劇」のご依頼が「吉本興業」様からあり、朗読! という驚きにどうにも私の声優魂がムラムラ……、ちがうか……、メラメラしてしまい、二つ返事でOKしたわけです。いやはや蓋(ふた)を開けてみたら豪華なキャストです。まあ、はっきり言って今回は宣伝まるだしなのですが、場所は新宿コマ劇場!に程近い「シアターアプル」。毎日キャストが違います。12/2(火)が私、林原めぐみでして、12/3(水)がデーモン小暮閣下。12/4(木)が雛形あきこさん。12/5(金)篠井英介さん。12/6(土)が真矢みきさん。12/7(日)が松岡充さん。と、日ごろは全くご縁のない方々ばかり。まあ、実際は横並びなものの、一緒に出演するわけではないので、結局顔を合わせることはないかと思いますが……。タイトルは「涙の温度」。作・演出は秋元康さん。
これは全くのミーハー根性なのですが、以前奥様の高井麻巳子さんが「おとりよせ」の本を出版する時の記事に、「主人(秋元氏)が世界で一番おいしいコーヒーを見つけたよ、と言っておみやげに買って来てくれたのをきっかけに、ここのコーヒーを取り寄せているんです」と語っていて、もちろん、その本の繊細さや、頼んだあれが今日届く!というワクワク感や、そこここに共感したり、感銘したりしたのですが、なんとも奥さんにそんなセリフでおみやげをてらいもなく買ってしまう秋元さんって、なんかいいかも!! 本当においしかったんだろうなあとか、色々思いをめぐらせていたので、今回、作・演出の文字を見たときに、勝手にガッツポーズな私なのでした。誰かれかまわず、小粋なセリフをバンバン言う人や、なんともザラつくのろけ(これって個人差だから微妙だけど)を言う人は苦手ですが、なんだかその記事からは勝手にほっこりした空気を感じて、素直に「いいなあこういうの」と思えたんですよね。
さて、少々話がずれましたが、内容は?というと……、短編を3篇、私が朗読する事になります。その間になんとあの三味線で有名な「吉田兄弟さん」の演奏が入ります。ここでまた不思議なのが、この映像製作の担当が大根仁さんといいまして、3年ほど前に出したアルバムの特典にラジオの公開録音の模様や、プライベートショット的なものをつないだビデオ(まだDVDではない)をつけたことがあって、その時監督さんでもあるのです。いやはや不思議な縁だなあ……と、しみじみ。短編の内容は詳しくはふれませんが、自宅で目を通し、「ジン……」として、声に出して読んでみてさらに「ジワ……」として、なんともこの感覚が不思議でした。いつももらっている台本を読むのとはまた違う感じ……。これは声優だから、演じてだから、は関係なくて、目(字)で捉えた感動を、わざわざ声に出してみるって、なんとなく心に良いような気がしたのです。このお仕事とは関係なく、今後本を読んで、ジワっとしたシーンや、泣けてしまうようなシーンに遭遇した時に、そのフレーズを音読してみようかな……とさえ思いました。目から声から耳からもう一回感動を味わえる感じです。一日だけのステージですが、心に残る声、シーンを伝えられたらと今から楽しみです。もしお時間がありましたら、是非のぞいてみてください。開演は19時です。