月刊ニュータイプという雑誌の連載で、石垣島まで行って来ました。「池上永一さん」という作家さんとの対談です。この連載はもうかれこれ5年以上続いていますが、そもそもは「なりたいものがわからない」「なにをやったらいいのかわからない」なんて意見をラジオなどで目にする機会もあり、おそらく天職であろうものに出会っている人も、いきなりそこにいたわけではなく、いろいろなきっかけや、選択や、決意があって、そんな人達の、その道までのお話を聞くというものです。今回の対談のくわしくは2月10日発売のニュータイプに掲載されています。ははは。今回はその石垣の旅のあれこれです。妊娠安定期の現在。いやいや飛行機というのは妊婦にやさしいのですね。JALのカウンターにて一応妊娠していることをつげたのですが、機内まで、ちょっと優先案内?的に乗せてもらえたり(小さいお子さん連れや、お体の不自由な方、妊娠などされている方対象)。
まあ、沢山の人が狭い機内、荷物を手にごったがえしますからねえ、先に乗ったほうが安全だし、邪魔にもならないけど、なんか突然の特別扱いにとまどってしまいました。
さらに、機内にも連絡がいっているようで、アテンダントさんが「気分が悪くなったらお声をおかけくださいね」とか、ちょこちょこのぞいてくれたり、「妊娠されている方へ」みたいな小雑誌をもらいました。へえ、へえ、へえ…です。ありがたいやら、申し訳ないやら、貴重な体験でした。日本のサービスの姿を見た気がしました。
さらに貴重といえば、石垣の地そのものでしょうか…。対談後、あれこれガイドブックにはのっていないであろう、池上さんの小説に出てくる舞台のあちこちを案内してもらいました。海を見下ろせる長い坂の上。何百年か前にここまで津波がきて、坂の下の町は壊滅状態だったそうです。しかし、島の3人の神様が手をつないで、津波を防いで、ここから後ろの町は被害がなかった、とか。その境には横並びで3つの御獄があります。特別な存在としてではなく、不思議でもなく、もちろんオカルトな訳でもなく、当たり前に、そしてとても自然に神様が存在しています。石垣の神様は全て女性であること。ユタの話。お祭りの話。御獄に足を運び、手を合わせ、礼をつくす。この御獄に足を踏み入れたものが、以前変死体で上がったこともあるとか…。(サメに食べられたり、溺死だったりと4例ほど)ふあああああ…。「おそらく失礼な事をしたんでしょう」と冷静に語る池上さん。日本には本当に良くも悪くもさまざまな宗教があふれています。ありがたい教えから、まがまがしいグッズまで。もちろん選択の自由はそれぞれにあるとしても、敬愛であったり、尊敬であったりする先にごくごく自然に「神様」が存在する。お天気だったり、ご先祖だったり。いるかいないか、あるかないか、ではなくて、本人が信じるか信じないか。それはもう感覚。
ホテルへの道すがら、大きな24時間スーパーによってもらい、飲み物などを調達しました。その派手さに若干の島のイメージとのずれを感じていたら「これのおかげで、商店街は随分つぶれてね、おバア達は失業さ。便利にはなったけど、島のリズムは崩れたよね、オバアが夜11時過ぎまで働くわけないからね。夜は寝るもんだって」とのこと。
私は今どこに立っているのだろう。
TOKYO HEADLINEはここにある!